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サロンの内装デザインを考える際には、まずシンプルデザインからスタートすることをおすすめします。その理由は、シンプルデザインが「無駄を削ぎ落とし、本当に必要なものだけを際立たせる」アプローチであり、洗練された美しさと心地良さを同時に実現できるからです。このスタイルは、サロンが提供する「癒し」や「リラックス」といった体験を引き立てる土台となります。
ただし注意していただきたいのは、「シンプルデザイン=施術ベッドなど必要最低限のものしか置かないインテリア」というわけではないという点です。必要最低限のものしか置かれていない空間は、ただの味気なく無機質なデザインでありシンプルデザインとは全く異なります。
シンプルデザインでは、意図的に選び抜かれた素材や配色・デザインが空間全体でバランスと調和をもって構成されています。一方で味気ないデザインは、これらの要素が安易に選ばれていたり欠けていたりして、温かみや空間そのものの魅力を感じられません。
またサロンはお客様に癒しやリラクゼーションを提供する特別な場所です。その空間が過剰な装飾や偏りすぎた個人的な趣味嗜好、強すぎるテーマで埋め尽くされていると、サロン空間として本来目指すべき目的がぼやけてしまうことがあります。またお客様も最初は物珍しく感じられていたとしても、次第に落ち着けなくなることがあります。
一方シンプルデザインを基盤にした空間は、視覚的なノイズを排除しつつサロンの「本質」を表現し、お客様が心身ともにリラックスできる環境を作り出します。
シンプルデザインから始める3つのメリット
1・清潔感を与える
サロン空間で最も大切なことは【清潔感】だと私は考えています。おしゃれな空間よりも、清潔感のある空間が最も重要です!これは断言できます。
では空間の清潔感は何によってもたらされるのでしょうか?もちろん、小まめな掃除や手入れも大切ですが、シンプルデザインの内装自体が清潔感を伝える大きな要素となります。
特にインテリアカラーは色が持つ心理的な効果と相まって、空間の清潔感に大きく影響します。例えば、白やベージュ・ソフトなグレーといったニュートラルカラーは、視覚的にすっきりとした清潔な印象を与え、空間を広く明るく感じさせます。これによりお客様はリラックスしやすく、安心感を持つことができるのです。
シンプルデザインは無駄を省いた美しさを追求することで、空間全体が整然とし清潔感が自然と際立ちます。逆に過剰な装飾があると,視覚的にごちゃごちゃとした印象を与えてしまいます。
またシンプルなデザインであれば、掃除や整理整頓も簡単に保ちやすく長期的に清潔感を維持することができます。
2・自由度の高いアレンジが可能
シンプルデザインをベースにすると、後から新しいコンセプトやアクセントを加える際にも柔軟に対応できます。
例えば、今まで女性のお客様だけを対象にしていたサロンが、新たに男性のお客様にも施術メニューを提供することになった場合、サロンインテリアを男性でも居心地の良いものにする必要があります。もし元々のサロンインテリアが装飾過多で甘いテイストだった場合、その空間を男性客にも喜んでいただけるように変えるには大掛かりな改装工事や家具や調度品の総入れ替えをしないと難しい場合もあります。
しかしシンプルデザインの空間であれば、アレンジや変化をスムーズに加えることができ、そのアレンジによって空間の統一感を損なうことはありません。シンプルなインテリアはさまざまなスタイルや要素を取り入れやすいため、ターゲット層やサロンの目的に合わせて簡単に調整できます。
3・リラックスできる空間を作りやすい
シンプルデザインは、視覚的にも心理的にもお客様に不必要な刺激を与えないデザインと言えます。
「お客様に存分に非日常感を楽しんでいただきたい」「高級感を味わっていただきたい」という思いから、サロン空間にさまざまなインテリアアイテムを取り入れることもあるでしょう。他のサロンと差別化を図るため、個性的で印象に残る内装デザインを目指すことも多いかもしれません。
しかしこれらの要素が詰め込まれすぎると、空間に溢れるメッセージや情報量がストレスフルな日常に疲れたお客様にとってかえって負担となることもあります。目に入る装飾や色使いが多ければ多いほど無意識のうちに視覚的な「ノイズ」となり、落ち着きやリラックス感を妨げてしまうことがあるのです。
一方で、シンプルデザインを採用した空間は、余計な情報を排除し自然と視覚的な負担を軽減します。その結果、お客様は穏やかな気持ちで施術を受けることができ、心身ともにリフレッシュしやすい環境が生まれます。控えめなデザインだからこそ、家具やカーテンの素材や質感・照明の光の色や量や照射方向などの細部にこだわることで、洗練された高級感を演出することも可能です。
シンプルデザインは、視覚的な静けさと調和を提供するだけでなく、空間そのものが施術と同じくらいの癒しをお客様に与える大切な要素となります。
シンプルデザインをサロンに取り入れる際のポイント
シンプルデザインを採用する際には、内装や家具を選ぶ際のセンスや審美眼が求められます。一見、少ないインテリアアイテムを組み合わせるだけなので簡単そうに思えるかもしれません。しかしアイテム数が少ないからこそ、デザインテイストや色のトーン・素材感のわずかな違いが目立ち、全体の統一感を損ねるリスクがあります。
さらにシンプルデザインが「味気ない」「冷たい」といった印象にならないよう工夫することも重要です。例えば、暖色系の間接照明を取り入れたり、木材や布といった自然素材を活用して、視覚的にも触覚的にも心地よい素材感を演出することで空間に温かみをプラスすることができます。
このようにシンプルデザインを成功させるには、細部にまで配慮しバランスと調和を意識した空間づくりが大切です。
まとめ
シンプルデザインをベースとした空間づくりは、サロンの目的やコンセプトを明確にしシンプルでありながら奥深い美しさを実現します。その上でサロンの個性や季節感を加えることで、さらに魅力的で印象的な空間を作り上げることができます。
サロンの内装でお悩みの方は、まずシンプルデザインを基本に据えるところから始めてみませんか?シンプルな美しさは、お客様の心に深く響き、長く愛される空間を生み出す力を持っています。
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